尿失禁の原因は1つではない?症状別に原因と治療法を紹介
自分の意図と無関係に、尿が漏れてきてしまう症状を尿失禁と言います。
この症状に悩まされている人は少なくありませんが、実際の所尿失禁には種類があり、それぞれ原因が異なります。
本記事では尿失禁の原因について、原因や治療法を解説します。
参考にして、自分の尿失禁はどれに該当するのか、原因は何でこれからどうすれば良いのかを知りましょう。
代表的な3つの尿失禁
代表的な尿失禁は、以下3つです。
- 腹圧性尿失禁
- 切迫性尿失禁
- 溢流性尿失禁
いずれも、意図せず尿が漏れてしまうという点では共通しています。
しかし漏れるタイミングや量、原因などはいずれもバラバラであり、対策も異なります。
そのため、改善するにはまず自分の悩みとなっている尿失禁がどのタイプなのか確認しなければなりません。
腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁とは、咳、運動、体をウ動かす労働など、腹筋を使い腹圧がかかった際に起こる尿失禁です。
漏れる尿量としては少量であるため、ナプキンなどで場を凌ぐのは比較的簡単です。
男性にもしばしば見られますが、患者の割合としては女性が多いです。
また、3つの尿失禁の中ではもっとも患者の数が多いのも特徴です。
世間的にイメージされる尿漏れは、この腹圧性尿失禁です。
原因
腹圧性尿失禁の原因は、骨盤底筋と呼ばれる骨盤の下部にある筋肉の緩みです。
通常、腹圧がかかり膀胱が多少収縮したとしても、骨盤底筋が尿道を締めているため、尿が漏れることはありません。
しかし骨盤底筋が衰えて緩むと、腹圧がかかった際尿道を締め続けられず、瞬間的に尿が漏れてしまうのです。
主に加齢が原因で発症しますが、妊娠・出産で骨盤底筋がダメージを負ったのを機に起こるケースもあります。
治療法
治療法は、骨盤底筋の筋力向上です。
鍛える方法はセルフケアでトレーニングする方法と、スターフォーマープロなどの医療機器で筋力を向上させる方法があります。
ただし、セルフトレーニングの場合は2ヶ月以上の継続が前提であるため、続ける自信がない人などは美容医療での改善をおすすめします。
なお、妊娠・出産を機とした腹圧性尿失禁のみ、3ヶ月ほど体を休めることで改善していきます。
切迫性尿失禁
切迫性尿失禁は、ふいに強い尿意を催す尿失禁です。
通常尿意は徐々に強まっていくものですが、切迫性尿失禁は突然強い尿意が発生します。
そのため手洗いに間に合わず、結果として失禁に至ってしまいます。
尿量も少ないわけではなく、いつ起こるかもわからないため、乗り物など長時間手洗いにいけない状況になるのをできるかぎり避ける必要があります。
そのため、生活に与える影響も大きくなります。
原因
切迫性尿失禁の原因は、神経因性のものと非神経因性のものがあります。
神経因性の原因の場合は、脳と膀胱の仲介を果たす神経に異常があり、排尿指示などが上手くいかず失禁に至ってしまいます。
非神経因性の原因の場合は、脳が指令を出していないにも関わらず意図せず膀胱が収縮してしまい、急激に尿意が発生してしまいます。
治療法
切迫性尿失禁の治療法は、薬剤療法になります。
薬で膀胱の急激な収縮を軽減し、尿意を抑えます。
また、骨盤底筋の筋力向上で、ふいに尿意が発生しても尿道を締められるようにするのも有効です。
そのため、可能であれば薬剤療法と骨盤底筋の筋力向上、両方を同時に進めるのがもっともおすすめの治療法です。
溢流性尿失禁
溢流性尿失禁とは、尿が膀胱に溜めきれず溢れてしまい、少量ずつだらだら漏れ続ける症状の失禁です。
排尿障害から起こるため、尿意から手洗いに行っても自分では上手く排尿できません。
そのため残尿感を頻繁に覚えたり、手洗いに行く時間が長引いたりという影響が出てしまいます。
原因
溢流性尿失禁の原因は、特定の疾患をきっかけに尿路が閉塞してしまったり、排尿筋が弱くなったりしてしまうことが原因です。
前立腺に関わる疾患も溢流性尿失禁を引き起こすケースがあるため、腹圧性尿失禁と異なり、男性の患者の方が女性患者に比べて多い傾向があります。
また、抗うつ剤など特定の薬の副作用として発症してしまうケースもあります。
治療法
溢流性尿失禁の改善方法は、主に薬剤療法になります。
元々の原因が他の薬による副作用だった場合、薬の種類を変えたり、一時的に薬を止めたりなどで改善を図るケースもあります。
ただし、程度が酷く薬で改善しきれなかった場合は、カテーテルを尿道から膀胱に差し込み、排尿する方法を取ります。
自己導尿と呼ばれる方法で、病院で行うのではなく、病院から指導を受け自力で行います。
尿失禁にお悩みの方はいとうらんクリニックにご相談ください
尿失禁にお悩みの方は、いとうらんクリニックにご相談ください。
当クリニックはスターフォーマープロを導入しており、手軽に骨盤底筋の筋力向上を実感していただけます。
また、当院は女医だけが担当にあたります。
そのため尿失禁について相談しづらい、特に男性医師に話しにくいと悩まれている女性の方などに、安心して症状について相談していただけます。
【まとめ】尿失禁の原因は人によってさまざま
ひとくちに尿失禁といっても、原因は人によってさまざまです。
そのため、診断を受けてなぜ自分に尿失禁が起こってしまうのか、どうすれば改善していくのかを知るのが重要です。
尿失禁は人に言いづらい疾患ですが、放っておいて治ることはほぼありません。
安心できる医療機関を選んで相談し、早めの改善を心がけましょう。
記事監修医師プロフィール
院長/形成外科専門医・医学博士
伊藤 蘭
2003年 | 山口大学医学部卒業 |
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2003年 | 京都大学医学部附属病院形成外科 日本赤十字社和歌山医療センター形成外科 |
2006年 | 島根県立中央病院 形成外科 |
2008年 | 松寿会共和病院 形成外科 |
2010年 | 京都大学大学院医学研究科課程博士(形成外科学)入学 |
2012年 ~2014年 | MD Anderson Cancer Center, Houston, USA. (Microsurgery Research Fellow) |
2014年 | Chang Gung Memorial Hospital, Taiwan(Microsurgery Fellow) |
2014年 | 京都大学大学院医学研究科課程博士(形成外科学)博士課程 所定の単位修得および研修指導認定 |
2015年 | 京都大学医学部附属病院形成外科 助教 |
2017年 | 城本クリニック京都院 院長 |
2020年 | ピュアメディカル西大寺院 院長 |
2021年 | くみこクリニック四条烏丸院 院長 |