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子宮脱の初期症状は?原因や治療法も併せて解説

子宮脱という言葉は、それほど一般に浸透していません。

症状についてはなおさら知らない人も多く、初期症状が目立たないため、知らない間に症状が進行していたという人も少なくないのが実際のところです。

本記事では、子宮脱や子宮脱の初期症状について解説します。

参考にして、自分の状態を知る手助けにしてください。

子宮脱とは?


子宮脱とは、文字どおり子宮が膣から外に出てしまっている状態です。

通常子宮は膣の内側にあり、外に出てくるようなことはありません。

ところが、子宮を支えている骨盤底筋にトラブルが発生すると、子宮を支えきれなくなり外に出てきてしまうのです。

放っておくと深刻なトラブルに繋がる可能性が高いため、症状が出たら治療しなければなりません。

子宮脱の症状の流れ

子宮脱の症状の流れは、初期→中期→後期と移り変わっていきます。

一気に症状が進むことはほとんどないことも、子宮脱の特徴のひとつです。

そのため、ひどくなる前に気づくチャンスが多いともいえます。

しかし女性器に関わるトラブルは言いづらい、と考える人は少なくありません。

そのため、初期症状の段階で気づいたとしても、「そのうち治るのでは…」と治療に消極的になってしまう人が多いです。

初期症状

子宮脱の初期症状は、ほぼ無いと言われています。

正確には体の中で子宮が下がってはきているのですが、見てわかったり触ってわかるようなものではありません。

そのため、婦人科などで診てもらった際に指摘を受けて気づく、というケースが多いです。

ただし中期に近くなってくると、しゃがんだり腹筋を使ったりした際に、何かが膣から出るような感覚を覚えるようになります。

中期症状

さらに症状が進んでくると、股間に丸くて固いものがあたるような感触を、はっきりと覚えるようになります。

大きさはピンポン玉や、鶏卵の頭程度の大きさです。

これが子宮であり、ここまで症状が進むとほぼすべての人が気づきます。

理想としてはさらに前の段階で気づき、治療した方が良いですが、現実問題としてこの段階で気づく人がもっとも多いです。

後期症状

後期になると、子宮に引っ張られて周りの臓器も元の位置より下に下がり始めます。

子宮は外に出ていないものの、代わりに直腸など他の臓器が出てしまっているというケースも見受けられます。

常に股間に異物感があるようになり、擦れて痛みや出血の原因になったりします。

早急に医療機関での治療が必要な状態であるため、「仕事があるから」などと後回しにせず病院に行きましょう。

子宮脱に初期症状段階で気づくには?

子宮脱の初期症状段階で気づくためには、正しい知識を持っている状態で、定期的に婦人科・美容クリニックに行くことが有効です。

残念ですが、子宮脱の初期症状に対し、自分の感覚だけで気づくことはほぼ不可能です。

そのため、「子宮脱になっているかもしれない」と念頭に置いておき、医師に診てもらうことが有効です。

実際に症状が出るまでいかないという人は多いですが、自分の体のためと考え、通院を心がけましょう。

子宮脱の原因

子宮脱の原因は、主に以下の通りです。

  • 無理な出産
  • ホルモンバランスの変化

どちらも中高年の女性に多い傾向があり、若い人で子宮脱に詳しい人は少ないと言えます。

また、まれではありますが子宮脱の理由に外部からの刺激があります。

陰部を触るくせがあったり、ウォシュレットで継続的に刺激を与えるなどしていると、確率は低いものの子宮脱が起こる可能性があるのです。

無理な出産

出産、特に無理な出産は子宮脱のリスクを高めます。

出産したからと言って、必ず子宮脱になるというわけではありません。

ただし、子宮脱の症状が表れた人のうち、90%以上が経産婦であることも事実です。

出産を経験すると、赤ちゃんが外に出てくる際、どうしても骨盤底に少なからず影響が出ます。

生んですぐは問題が無い場合が多いですが、年月が経ち閉経して、50~60代になる頃に子宮脱を発症する原因になるのです。

中でも、高齢妊娠での出産にあたって自然分娩を行なうと、よりリスクが高まると言われています。

もちろん、分娩方法は子宮脱のことだけを考えて決めることではありませんが、子宮脱予防のためには帝王切開を選ぶのも一つの手です。

ホルモンバランスの変化

ホルモンバランスの変化によっても、子宮脱になりやすくなります。

出産していても、若年層に子宮脱の症状が見られにくいのは、閉経前であるためです。

閉経前は女性ホルモンが活発に働いており、その影響で子宮脱になりにくい状態となっているのです。

しかし、閉経して女性ホルモンが以前ほど活発に働かなくなると、ホルモンバランスが乱れ体にさまざまな影響が出ます。

そのひとつとして、子宮脱になりやすくなるのです。

子宮脱の対策施術

子宮脱の対策施術は、主に以下の3つです。

  • 運動療法
  • ペッサリーリング
  • 手術

ただし上記の3つは、すべてを同時に行うわけではありません。

症状の進行度合いによって、行うべき治療法が異なってきます。

まずは婦人科に行き、自分がどのような状態であるのか知ることが大切です。

運動療法

症状が軽度であった場合、骨盤底筋を運動療法で再度鍛えることで、症状が回復に向かいます。

ただし、自己判断で行うことは止めましょう。

自分の症状が軽度であるのか、運動療法で回復する段階なのか、どのような運動を行なえば良いのか。

そういったことは、実際に診療を受けてみなければわかりません。

自己判断で軽度だと断定し、トレーニングを行うことで悪化する可能性もあるため、まずは診療を受けましょう。

ペッサリーリング

ペッサリーリングは、運動療法では解決できず、体力面などの問題で手術もできない場合に用いられる治療法です。

膣にペッサリーリングと言われるドーナツ型のリングを挿入します。

そうすることで、入口を固定し狭めて、内臓が落ちてこないようにする治療法です。

手術に比べて格段に体の負担が軽くなりますが、2~3ヶ月に一度リングの交換が必要となります。

手術

子宮脱解消の手術は、言い換えると骨盤底の修復手術です。

子宮脱の解決方法としてはもっとも効果的かつ一般的であり、状況が許す限り手術で解決した方が良いでしょう。

特に症状が進行しており、運動療法では回復できない場合は、できるだけ手術を受けた方が将来的に楽です。

昨今は膣壁と臓器の間に壁を作り、補強する手術が、新しい術式として行なわれています。

不安なときはいとうらんクリニック四条烏丸でご相談を


子宮脱の症状以外にも、女性器に関するトラブルはさまざまにあり、悩んでいる人も少なくありません。

しかしデリケートな部分だけに、どこにも相談できないという気持ちは無理もありません。

そのようなときは、ぜひいとうらんクリニック四条烏丸でご相談ください。

ひとりひとりに寄り添ったカウンセリングで、トラブル解消のお役に立つことができます。

記事監修医師プロフィール

院長/形成外科専門医・医学博士

伊藤 蘭

2003年山口大学医学部卒業
2003年京都大学医学部附属病院形成外科 日本赤十字社和歌山医療センター形成外科
2006年島根県立中央病院 形成外科
2008年松寿会共和病院 形成外科
2010年京都大学大学院医学研究科課程博士(形成外科学)入学
2012年
~2014年
MD Anderson Cancer Center, Houston, USA. (Microsurgery Research Fellow)
2014年Chang Gung Memorial Hospital, Taiwan(Microsurgery Fellow)
2014年京都大学大学院医学研究科課程博士(形成外科学)博士課程 所定の単位修得および研修指導認定
2015年京都大学医学部附属病院形成外科 助教
2017年城本クリニック京都院 院長
2020年ピュアメディカル西大寺院 院長
2021年くみこクリニック四条烏丸院 院長

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