肥満は尿漏れの原因になる?関係やよくある質問についても解説
尿漏れが起こって悩みつつ、肥満にも悩んでいるという人は少なくありません。
実は尿漏れと肥満は無関係ではなく、肥満が理由で尿漏れが起きているケースがあるのです。
本記事では、肥満から生じる尿漏れについて解説します。
参考にして、尿漏れや肥満の悩みを解消するのに役立ててください。
尿漏れとは?
尿漏れとは、意図しないタイミングで排尿が起こってしまう現象です。
おもらし、尿失禁などと呼ぶこともあり、いずれも意味は同じです。
ひと口に尿漏れと言っても種類があり、それぞれ原因や症状は異なります。
「尿漏れは子供やお年寄りに起こるもの」というイメージを持つ人もいますが、実際には老若男女問わず全ての人に起こりうる症状です。
そのため、仮に起こったとしても「若いのに恥ずかしい」などと思いつめる必要はありません。
肥満の場合腹圧性尿失禁が起こりやすくなる
肥満と尿漏れの関係ですが、結論を述べると肥満が原因で尿漏れが起こることはあり得ます。
肥満が原因で起こるタイプの尿漏れは腹圧性尿失禁と言い、腹部に圧力がかかった際、尿道を締める力が負けてしまい尿漏れを起こしてしまう症状です。
一般的には骨盤底筋の力が衰えている人が、咳やくしゃみなどをした際に起こります。
しかし肥満の人の場合、脂肪が腹部や膀胱に圧力をかけやすくなるため、肥満でない人に比べて腹圧が強くなりがちであり、腹圧性尿失禁を起こしやすくなるのです。
その他腹圧性尿失禁に繋がる原因
肥満は腹圧性尿失禁の原因になり得ると前述しましたが、肥満だけが原因になるわけではありません。
具体的には、以下の原因から腹圧性尿失禁になり得ます。
- 妊娠・出産
- ホルモンバランスの崩れ
- 加齢
いずれも骨盤底筋の力を低下させる原因になります。
骨盤底筋は尿道を締める役割を持っているため、以下の原因から骨盤底筋の力が緩むと、腹圧性尿失禁が起こりやすくなります。
妊娠・出産
妊娠・出産は腹圧性尿失禁の原因になり得ます。
妊娠や出産は骨盤底筋に負荷がかかるため、骨盤底筋が緩みがちになり、腹圧性尿失禁を引き起こすのです。
妊娠中だけでなく、出産後もしばらくは尿漏れしやすい状態が続きます。
ただし、妊娠・出産が原因の場合、体をきちんと休めれば自然に回復していきます。
尿漏れは放っておいても基本的に改善しませんが、妊娠が原因の場合は例外であり、休養を取れば3か月ほどで元に戻るのが一般的です。
ホルモンバランスの崩れ
ホルモンバランスの崩れも、腹圧性尿失禁を引き起こす可能性があります。
正確にいうと、ホルモンバランスが崩れることで体の調子に変化が起き、骨盤底筋の筋力が衰えると、腹圧性尿失禁に繋がるのです。
特に女性は更年期を機としてホルモンバランスが崩れがちになり、尿失禁が起こりやすくなる傾向があります。
加齢
加齢は筋力低下を招きます。
自然と骨盤底筋の筋力も低下するため、腹圧性尿失禁が起こりやすくなります。
お年寄りに尿漏れが多いというイメージが生じるのはこのためであり、加齢によって身体の機能が衰えてくると、膀胱が尿を溜めておく機能や、尿道を締め続ける機能が低下し、尿漏れが起こりやすくなるのです。
ただし、骨盤底筋は筋肉であるため、鍛えれば筋力を再び向上させ、尿漏れ改善が期待できるのも事実です。
そのため、尿漏れが始まったからと言って、諦める必要はありません。
肥満による尿漏れについてよくある質問
肥満による尿漏れについて、特によくある質問を以下にまとめました。
- 肥満が解消すれば尿失禁は改善しますか?
- 肥満が解消しなければ尿失禁は改善しないのでしょうか?
- 腹圧性尿失禁が女性に多いのは本当ですか?
他にも気になることがあれば、ぜひカウンセリングや診察の際に尋ねてください。
医師に対し質問を遠慮する必要はありませんし、自己判断や思い込みで行動を起こすと、思わぬトラブルになる可能性があります。
肥満が解消すれば尿失禁は改善しますか?
肥満が解消すれば、尿失禁が改善する可能性はありますが、必ず改善するとは言い切れません。
腹圧性尿失禁は肥満以外にも考えられる原因が複数あるため、100%肥満が原因とは言い切れないためです。
まずは肥満を解消し、改善しなければ別の対策を取る必要があります。
肥満が解消しなければ尿失禁は改善しないのでしょうか?
肥満が解消しなくとも、尿失禁が改善する可能性はあります。
骨盤底筋を鍛えれば尿道を締める力は強まりますし、そもそも原因が肥満にあるとは言い切れないためです。
ただし一方で、肥満がリスク上昇に繋がるのも事実です。
現在肥満である場合は、できるだけ改善しておくことをおすすめします。
腹圧性尿失禁が女性に多いのは本当ですか?
腹圧性尿失禁が女性に多いのは事実です。
女性は更年期などの理由から骨盤底筋が衰えやすいだけでなく、膀胱から尿道口までの距離が短いため、男性より腹圧性尿失禁が起こりやすい傾向にあります。
ただし、男性にも腹圧性尿失禁は起こり得るため、男性だからといって油断は禁物です。
肥満・尿漏れにお悩みの方はいとうらんクリニック 四条烏丸にご相談ください
肥満・尿漏れにお悩みの方は、いとうらんクリニック 四条烏丸にご相談ください。
当クリニックはスターフォーマープロで骨盤底筋を効率的に鍛えられるだけでなく、下半身周りの筋肉を強化してシェイプアップしたり、ダイエットメニュについても相談に乗ることが可能です。
尿漏れにお悩みの方だけでなく、肥満の悩みも同時に抱えている方は、ぜひご利用ください。
【まとめ】肥満以外にも尿漏れの原因はさまざま
肥満は腹圧性尿失禁の原因になり得ることであり、無関係とは言い切れません。
しかし一方で、肥満だけが原因になるわけではなく、尿漏れの原因は肥満以外にもさまざまです。
尿漏れを改善する場合は、肥満が原因と決めつけず、あらゆる原因を想定しつつ対策を実行していきましょう。
記事監修医師プロフィール
院長/形成外科専門医・医学博士
伊藤 蘭
2003年 | 山口大学医学部卒業 |
---|---|
2003年 | 京都大学医学部附属病院形成外科 日本赤十字社和歌山医療センター形成外科 |
2006年 | 島根県立中央病院 形成外科 |
2008年 | 松寿会共和病院 形成外科 |
2010年 | 京都大学大学院医学研究科課程博士(形成外科学)入学 |
2012年 ~2014年 | MD Anderson Cancer Center, Houston, USA. (Microsurgery Research Fellow) |
2014年 | Chang Gung Memorial Hospital, Taiwan(Microsurgery Fellow) |
2014年 | 京都大学大学院医学研究科課程博士(形成外科学)博士課程 所定の単位修得および研修指導認定 |
2015年 | 京都大学医学部附属病院形成外科 助教 |
2017年 | 城本クリニック京都院 院長 |
2020年 | ピュアメディカル西大寺院 院長 |
2021年 | くみこクリニック四条烏丸院 院長 |