失禁の種類にはさまざまなものがある?特徴や原因を解説
失禁と聞くと、尿が漏れることとイメージする人は少なくありません。
間違いではありませんが、実際の所失禁にはさまざまな種類があり、同じ失禁でも人によって症状や対策が異なります。
本記事では、失禁の種類について解説します。
参考にして、自分の失禁がどれに当てはまるのか知りましょう。
失禁とは?
そもそも失禁とは、自分の意志に関係なく排尿が起こってしまう症状のことです。
一般的に排尿は、排尿しようという意志が伴って起きるものですが、失禁の場合本人に排尿の意志が無い点が特徴です。
失禁に対し、幼い子供や老人に起こるもの、あるいは女性に起こるものというイメージを持つ人もいますが、実際の失禁は老若男女問わず起こり得ます。
そのため「自分は〇〇だから失禁の心配はない」と思い込むのは止めた方が良いでしょう。
さまざまな失禁の種類
失禁の具体的な種類は、以下のとおりです。
- 腹圧性尿失禁
- 切迫性尿失禁
- 溢流性尿失禁
- 持続性尿失禁
- 夜尿症
- 排尿後滴下
人によっては、複数の種類に同時に当てはまるケースもあります。
腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁とは、腹圧がかかることによって起こる失禁です。
具体的には、咳やくしゃみなどのはずみで起こるケースが多いです。
咳などの際に腹圧がかかると、膀胱が押されて排尿が促されます。
しかし、通常は尿道が締まっているため、そこで尿がせき止められて、失禁が防がれます。
一方で腹圧性尿失禁の場合、尿道を締めている骨盤底筋が衰えているため、腹圧がかかった際尿道を締め続けられません。
結果として、少量の尿が出てしまうのです。
切迫性尿失禁
切迫性尿失禁とは、急に強い尿意が発生して失禁してしまう症状のことです。
通常と異なり、尿意が徐々に強まるのではなく、急に強まる点が特徴です。
脳梗塞や膀胱の過収縮など、疾患が原因のケースもありますが、ストレスを感じることでも発症してしまいます。
ストレスは自律神経を乱し、膀胱の動きに影響を及ぼすため、緊張や不安からトイレに行きたくなる現象も切迫性尿失禁に該当します。
溢流性尿失禁
溢流性尿失禁とは、名称の通り溢れるように尿が漏れてしまう症状です。
漏れてくる尿量は少しずつですが、長時間続く傾向があることに加え、一度に漏れる量が少なすぎて自覚しにくいため、無意識のうちに失禁が進行してしまうケースがあります。
溢流性尿失禁は排尿障害から起こる症状で、トイレに行ってもすっきり排尿できない点が特徴です。
トイレで上手く尿が出ない、残尿感があるなどの症状がある人は、特に注意が必要です。
混合性尿失禁
混合性尿失禁とは、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁、両方の症状があるケースを指します。
腹圧性尿失禁は骨盤底筋の筋力、切迫性尿失禁は疾患やストレスが原因となるため、それぞれ関連性が薄く、同時に起こることがあり得るのです。
それぞれ対策も異なるため、実際に改善を進める際はどちらの症状がより強く出ているかを診察し、優先順位を決めます。
患者数は決して少ないわけではなく、特に女性に多く見られます。
そのため、自分だけが悩んでいると気にし過ぎる必要はありません。
夜尿症
夜尿症とは、夜間眠っている間に失禁してしまう症状のことです。
一般的には小さな子供が起こすもので、大人はやらないというイメージがありますが、大人でも夜尿症になるケースはあります。
夜間に失禁が起こらないのは、体のさまざまな機能が夜尿を防いでいるためです。
体内の抗利尿ホルモンが尿量を抑え、かつ膀胱がしっかり働いて睡眠中増えていく尿を溜め続けています。
膀胱の許容量を超えそうになると、体は自然に覚醒し、トイレに行くことができます。
夜尿症は、上記のいずれかの機能が未熟だったり、問題があったりする状態が原因です。
排尿後滴下
排尿後滴下とは、排尿が終わったと感じた直後に少量の尿が漏れてしまう症状です。
尿の切れが悪い、追っかけ漏れする、などと言われる症状は、排尿後滴下に該当します。
原因は尿道に関係する筋肉の筋力低下です。
尿を送り出す力や、排尿後尿道を締める力が弱い場合、排尿後滴下が起こります。
男性に多いと言われる症状ですが、女性にも起こり得ます。
失禁の改善には的確な診断が重要
失禁の改善において重要なポイントは、まず的確な診断を受けることです。
自己判断で自分の尿失禁の種類を断定し、対策を立ててしまうと、間違っていた場合改善が進まないまま時間だけが経過してしまうことになります。
また、症状によっては、クリニックに行かなければ改善できないケースもあります。
尿失禁の悩みは医師が相手でも言いにくいものですが、改善のためのステップと捉え、打ち明けやすいクリニックを選んで相談に行きましょう。
いとうらんクリニック 四条烏丸で失禁の改善を目指しましょう
尿失禁の改善を目指したい方は、いとうらんクリニック 四条烏丸にご相談ください。
当クリニックはスターフォーマープロの利用を受け付けており、骨盤底筋の緩みから起こる失禁改善が期待できます。
また、担当はすべて女医のみとなっております。
そのため、男性医師に悩みを話しにくいと感じる女性の方にも、安心してお悩みを相談いただけます。
【まとめ】ひとくちに失禁といっても種類がある
失禁とひとくちにまとめても、実際には種類があります。
それぞれ原因や症状、対策が異なるため、失禁に悩み改善したい場合は、まず自分の失禁がどのタイプに当てはまるのか知りましょう。
失禁の悩みを相談しにくいと感じる場合は、話しやすい雰囲気のクリニックを選んで受診するのがおすすめです。
記事監修医師プロフィール
院長/形成外科専門医・医学博士
伊藤 蘭
2003年 | 山口大学医学部卒業 |
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2003年 | 京都大学医学部附属病院形成外科 日本赤十字社和歌山医療センター形成外科 |
2006年 | 島根県立中央病院 形成外科 |
2008年 | 松寿会共和病院 形成外科 |
2010年 | 京都大学大学院医学研究科課程博士(形成外科学)入学 |
2012年 ~2014年 | MD Anderson Cancer Center, Houston, USA. (Microsurgery Research Fellow) |
2014年 | Chang Gung Memorial Hospital, Taiwan(Microsurgery Fellow) |
2014年 | 京都大学大学院医学研究科課程博士(形成外科学)博士課程 所定の単位修得および研修指導認定 |
2015年 | 京都大学医学部附属病院形成外科 助教 |
2017年 | 城本クリニック京都院 院長 |
2020年 | ピュアメディカル西大寺院 院長 |
2021年 | くみこクリニック四条烏丸院 院長 |