その他の施術

タトゥー除去の副作用・リスク

タトゥーや刺青は、真皮まで色素を入れているため、簡単に消すことはできません。しかし、近年のタトゥー除去治療は、従来の治療よりもきれいに除去することが可能となりました。当院では、タトゥーの大きさや部位、色などを確認した上で、レーザー治療または植皮術など、適した方法をご提案いたします。いずれの方法にも以下のような副作用・リスクがあります。

レーザー治療の副作用・リスク

レーザー治療は、レーザーの熱と衝撃で色素を粉砕する方法です。メスを使わずに除去できるため、傷跡が残りにくいというメリットがあります。

施術に伴う一般的な副作用・リスク：

• 赤み・熱感：施術後、照射部位に赤みや火照り感が生じることがあります。通常は数時間から数日で落ち着きますが、個人差があります。
• 腫れ：施術部位に腫れが生じることがあります。通常は数日から1週間程度で軽減します。
• 疼痛・刺激感：施術中や施術後に、痛みや刺激感を感じることがあります。照射範囲や個人の感受性により程度が異なります。
• かさぶた形成：照射部位にかさぶたができることがあります。通常は1〜2週間程度で自然に剥がれ落ちます。無理に剥がすと色素沈着や瘢痕の原因になります。
• 水疱形成：照射部位に水疱（水ぶくれ）が形成されることがあります。通常は時間とともに吸収されますが、大きな水疱ができた場合は医師にご相談ください。

その他のリスク：

• 効果の個人差：治療の効果には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。また、タトゥーの色（黒・青系は反応しやすい、赤・黄・緑系は反応しにくい）、深さ、大きさ、入れてからの年数により効果が異なります。
• 複数回の施術が必要：1回で完全に消えるわけではなく、通常3〜5回以上の照射が必要です。施術間隔は通常3か月程度あける必要があります。色が濃い、広範囲、複雑な色のタトゥーはさらに多くの回数が必要になることがあります。
• 完全には消えない可能性：治療を重ねても、完全には消えずに薄く残ることがあります。特に赤・黄・緑などの色は反応しにくく、完全除去が難しい場合があります。
• 炎症後色素沈着（PIH）：施術後、照射部位に一時的に色素沈着が生じることがあります。通常は3〜6か月程度で自然に薄くなりますが、紫外線対策を怠ると長引くことがあります。
• 色素脱失（白抜け）：過度な照射により、照射部位の色素が抜けて白くなることがあります。一時的な場合もありますが、永続的に残る可能性もあります。
• 瘢痕（傷跡）：適切でない照射や術後のケア不足により瘢痕が残る可能性があります。もともとタトゥーを入れた際に瘢痕化している場合、その瘢痕は残ります。
• 火傷：極めて稀ですが、強すぎる照射により火傷が生じる可能性があります。
• 感染：極めて稀ですが、施術後に細菌感染が生じるリスクがあります。
• アレルギー反応：稀に、タトゥーのインクに含まれる成分に対するアレルギー反応が生じることがあります。

植皮術の副作用・リスク

植皮術は、タトゥーの入った皮膚を切除し、他の部位から採取した皮膚を移植する方法です。1回で広範囲のタトゥーを除去できますが、手術を伴うためダウンタイムがあります。

手術に伴う一般的な副作用・リスク：

• 痛み：手術後、切除部位および皮膚採取部位に痛みが生じます。鎮痛剤で対応しますが、数日から1週間程度続くことがあります。
• 腫れ：手術部位に腫れが生じます。通常は1〜2週間程度で軽減しますが、完全に落ち着くまでに数週間から数か月かかることがあります。
• 内出血：手術部位に内出血が生じることがあります。通常は1〜2週間程度で消失します。
• 感覚の変化・しびれ：手術部位やその周辺に感覚の変化やしびれが生じることがあります。多くの場合、時間とともに改善しますが、完全には戻らない場合もあります。

その他のリスク：

• 瘢痕（傷跡）：手術を伴うため、切除部位および皮膚採取部位に瘢痕（傷跡）が残ります。瘢痕の程度は個人差がありますが、完全に目立たなくすることは困難です。植皮部位の周囲に縫合線が残ります。
• 皮膚採取部位の傷跡：皮膚を採取した部位（通常は臀部や大腿部など）にも傷跡が残ります。
• 色調の違い：移植した皮膚と周囲の皮膚で、色調や質感に違いが生じることがあります。
• 肥厚性瘢痕・ケロイド：体質により、瘢痕が盛り上がる肥厚性瘢痕やケロイドが形成されることがあります。
• 皮膚の生着不全：極めて稀ですが、移植した皮膚がうまく生着しないことがあります。この場合、再手術が必要になることがあります。
• 感染：手術後に細菌感染が生じるリスクがあります。
• 血腫：手術部位に血液がたまることがあります。大きな血腫ができた場合は、除去が必要になることがあります。
• 非対称：左右対称の部位に施術した場合、わずかな非対称が生じることがあります。

治療を受けられない方・注意が必要な方

以下の方は治療を受けられない、または医師との十分な相談が必要です：

• 妊娠中・授乳中の方
• 施術部位に炎症や傷がある方
• 施術部位に感染症がある方
• ケロイド体質の方（植皮術の場合、特に注意が必要）
• 光線過敏症の方（レーザー治療の場合）
• 光感受性を高める薬を服用中の方（レーザー治療の場合）
• 日焼け直後の方、施術後に日焼けする予定のある方（レーザー治療の場合）
• 重度の全身疾患をお持ちの方
• 出血傾向のある方、抗凝固薬を服用中の方（植皮術の場合、特に注意が必要）
• 糖尿病の方（創傷治癒が遅延する可能性があります）
• 心疾患のある方（植皮術の場合）
• 麻酔アレルギーのある方（植皮術の場合）
• その他、医師が不適切と判断した方

施術後の注意事項

レーザー治療の場合：

• 紫外線対策：施術後は肌が敏感になっているため、紫外線対策を徹底してください。日焼け止め（SPF30以上推奨）を必ず使用し、帽子や日傘も活用してください。紫外線を浴びると色素沈着のリスクが高まります。
• 保湿：施術後は肌が乾燥しやすくなるため、十分な保湿を行ってください。
• こすらない：施術後は患部を強くこすったり、刺激したりしないでください。
• かさぶたを無理に剥がさない：かさぶたができた場合、無理に剥がさず自然に剥がれ落ちるまで待ってください。無理に剥がすと色素沈着や瘢痕の原因になります。
• 水疱の処置：水疱ができた場合、つぶさないでください。大きな水疱ができた場合は、医師にご相談ください。
• 入浴：施術当日は入浴を避け、シャワーのみとしてください。翌日以降は可能ですが、患部を強くこすらないよう注意してください。
• 飲酒・激しい運動：施術当日は、血行が良くなる行為（飲酒、激しい運動、サウナなど）は控えてください。

植皮術の場合：

• 安静：手術後は安静にし、患部に負担をかけないようにしてください。
• 入浴制限：手術後1〜2週間は入浴を避け、シャワーのみとしてください。患部は濡らさないようにカバーしてください。
• 運動制限：手術後1〜2週間は激しい運動を避けてください。部位により制限期間が異なりますので、医師の指示に従ってください。
• 圧迫固定：手術部位を圧迫固定することがあります。医師の指示に従って装着してください。
• 抜糸：通常、手術後1〜2週間で抜糸します。抜糸までは縫合部を濡らさないよう注意してください。
• 飲酒・喫煙：手術後1〜2週間は飲酒・喫煙を控えてください。創傷治癒を遅延させる可能性があります。
• 紫外線対策：抜糸後も瘢痕が落ち着くまで（数か月間）は紫外線対策を徹底してください。

異常を感じた場合：赤みや腫れが悪化する、強い痛みが続く、膿が出る、発熱するなど、気になる症状がある場合は速やかにクリニックにご連絡ください。

ダウンタイムについて

レーザー治療：

• 施術時間：タトゥーの大きさにより異なりますが、数分〜30分程度
• 麻酔：麻酔クリームまたは局所麻酔を使用します
• 赤み・腫れ：数時間から数日
• かさぶた形成：1〜2週間程度で自然に剥がれ落ちます
• 水疱：数日から1週間程度で吸収されます
• 炎症後色素沈着：3〜6か月程度で自然に薄くなります
• 入浴：翌日から可能（患部をこすらないよう注意）
• 施術間隔：通常3か月程度あける必要があります
• 推奨回数：通常3〜5回以上。タトゥーの色、深さ、大きさにより異なります

植皮術：

• 手術時間：タトゥーの大きさにより異なりますが、1〜3時間程度
• 麻酔：局所麻酔または全身麻酔
• 入院：通常は日帰りですが、範囲が広い場合は入院が必要になることがあります
• 痛み：手術後数日から1週間程度（鎮痛剤で対応）
• 腫れ：1〜2週間程度（完全に落ち着くまでに数週間から数か月）
• 抜糸：手術後1〜2週間
• 入浴：手術後1〜2週間はシャワーのみ（患部は濡らさない）
• 運動制限：手術後1〜2週間は激しい運動を避ける
• 仕事・日常生活：部位により異なりますが、通常1〜2週間程度制限があります
• 瘢痕の落ち着き：数か月から1年程度かけて徐々に目立たなくなりますが、完全には消えません

※症状の出現や程度、効果の現れ方や治療回数には個人差があります。タトゥーの色、深さ、大きさ、入れてからの年数により効果が大きく異なります。治療方法（レーザー治療・植皮術）によってもリスクや注意事項が異なります。詳細については診察時に医師より丁寧にご説明いたします。ご不明な点や不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。当院では、タトゥーの状態を診察した上で、患者様のご希望に合わせて最適な治療方法をご提案いたします。近年のタトゥー除去治療は、従来の治療よりもきれいに除去することが可能となっています。ライフスタイルの変化や社会的な立場の変化により、昔入れたタトゥーや刺青を消したいと感じている方は、ぜひご相談ください。